「人生の棚卸し」を通して私らしい働き方を見つけよう

  • 2023年12月5日
  • 2023年12月7日
  • コラム

前回の記事では定年後の働き方に着目し、年齢にとらわれず、自身の経験や得意分野を活かせるキャリア作りについてお話ししました。

自分自身の良さって案外気が付きにくいもの。ですが、もしも自分の良さを仕事に活かすことができたら素敵だと思いませんか?「自分らしく働いていきたいけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」とモヤモヤを抱えている人は多いのです。

そもそも「自分らしさ」とは何なのでしょう。

その答えは、仕事やプライベートを含めてあなたが歩んできた人生で経験してきた中にあります。そして、この経験の中に「自分らしさ」は勿論のこと、あなたならではの「つよみ」も隠されているのです。

「これまでの人生の棚卸し」で過去や未来のことをじっくり考えれば、自然と答えが見えてくるはずです。

あなた自身を再確認する「棚卸しのすすめ方」

「人生の棚卸し」をすることで、他の人にはない自分のつよみや得意分野が見えてきます。見えてきたら、自分のつよみや得意分野を活かした【自分らしい】ビジネスモデルは何なのか?を見つけてみましょう。

これから、自分の強みや属性を導き出すために、自分自身のことをワークシートに書き出す作業を行っていきます。

このワークシートを用いた棚卸しには、5つのステップがあります。

①仕事での経験を書き出す
②プライベートでの経験を書き出す
③好きなこと/得意なこと
④嫌いなこと/苦手なこと
⑤ワークシートに配置する

ワークシートの中央に、4つの軸があります。縦軸の上が好きなことや得意なことを書く枠で、左がプライベートでの経験スキル、右は仕事を通じたスキルと経験を書く枠です。それでは、5つのステップを順にすすめていってみましょう。

①仕事での経験を書き出す

まずはワークシートの右側に、あなたが仕事で培ったスキルと経験を書き出してみましょう。ここには、「集客で〇〇件達成した」「営業の仕事を〇〇年続けてきた」というようにできるだけ数値化した実績を書き込むことがポイントです。

それから、あなたが今までに得たノウハウや、あなたができることを書いてみましょう。達成したことや乗り越えたことを具体的な内容で記してみてください。

②プライベートでの経験を書き出す

仕事だけではなく、プライベートでの経験も重要となります。ワークシートの左側には、仕事以外での経験を書き出してみてください。この中から掘り起こしたニーズに着目することで、新たなビジネスの可能性を探っていくことができるのです。

③好きなこと/得意なこと

縦軸の上部分には、あなたの幼少期のことを書き出してみてください。自分が本当は何がしたいのか、何ができるのかというのは、趣味や小さい頃にハマっていたことに繋がっている場合が多くあります。

また、辛かったことや大変だったことを乗り越えた経験は自分ならではのつよみに繋がっている場合が多くありますので、それも書き出してみてください。

つまり、幼少期の趣味趣向だけでなく、今までの人生で辛かった経験が定年退職後に選択する仕事に大きな影響を与えるということが言えるのです。

懐かしい気持ちで、あなたの好きだったことや興味のあったことを思い出してみましょう。

④嫌いなこと/苦手なこと

縦軸の下部分には、あなたの苦手とする分野も書き出してみましょう。「細かいことが苦手だ」「単純作業が苦手だ」など、具体的でなくても構いません。

⑤ワークシートに配置する

ここまでくると、4つの軸全てがあなた自身のことで埋まっていますね。ここで書き出されたものの中から、プライベートや仕事における様々なスキル・経験と、あなたの持つ趣味趣向を掛け合わせてみてください。2つ以上の組み合わせの特徴が、あなた自身のキャリアになり得るのです。

「実はこんなことができるんじゃないか」「こんなサービスを提供することができるんじゃないか」といったイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

棚卸しのステップをより分かりやすくするために、具体例を見てみましょう。例えばあなたが、プライベートでの介護経験や主婦業を通して、介護士・ケアマネージャーのスキルを身につけているとします。一方仕事では、整理収納アドバイザーに必要なノウハウを習得しているとします。ここに、「人と話すこと」「綺麗に片付けること」という、あなたの好きなことや得意とすることを掛け合わせてみてください。

浮かび上がるのは、「家事や介護を行いながら短時間で心も部屋も美しくする整理収納アドバイザー」という、あなたが培ってきた経験があるからこそ生まれた肩書きです。

棚卸しを通して自分らしい働き方を見つけよう

とある業界での経験があって、仕事とは関係ないところでこんな経験もある、といった場合にこの2つをうまく掛け合わせることで、自分にしかできない独自のビジネスや仕事の仕方が生まれてきます。これを可視化するのが棚卸しです。

棚卸しを行って新たなビジネスモデルを見出そうとする時は、今まで長年勤めてきた仕事の延長線にとらわれる必要はありません。自分のプライベートにも踏み込んで、好きなことや得意なことから好きな仕事の方向性が見えてくると、あなたの良さを強みにできるチャンスです。

仕事の経験✖️人生の経験を棚卸しすると、あなたにしかできない事業モデルが見えてきます。 次回はもう少し掘り下げて具体例を見ていきましょう。