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  • 2025年7月31日

「これからの人生、もっと自分らしく生きたい」 そう願い、自分の“好き”や“得意”を活かして一歩を踏み出す方が増えています。

定年という節目をきっかけに、これまで家族のため、社会のために働き続けてきた人たちが「今度は自分のために働きたい」「本当にやりたかったことに挑戦してみたい」と、起業という道を選び始めているのです。

今回は、これまでの経験や自分らしい生き方を大切にしながら、”心から楽しいと思えること”を仕事に変えて力強く歩みを進める、お絵かきクリエイター海月さんに取材させていただきました。

一般社団法人国際じぶんストーリー協会認定
お絵かきクリエイター海月 さん
かつては客室乗務員として空を飛び回り、さまざまなライフステージを経て「大好きなお絵描きを仕事にしたい」という思いから起業を決意。現在は会社員として勤務する一方で「お絵かきクリエイター」として個人事業を立ち上げ、副業として活動中。見る人の心にそっと寄り添うようなイラストと、手描きの温もりを大切に”自分らしい”表現を形にしている。
海月さんFacebook»

50代の起業でかなえた“自分らしさ”を大切にする人生

かつて、客室乗務員として空を飛び回る日々を送っていた海月さん。

結婚、出産、そして離婚—人生の大きな転機を経験する中で心の奥から湧き上がってきたのは「大好きなお絵描きを仕事にしたい」という思いだったといいます。

それは、これまで趣味として楽しんできた絵を、今度は自分の「人生の軸」として育てていきたいという、強い決意でした。

そんな海月さんは現在、会社員として安定したお仕事を続けながら、副業として個人事業を立ち上げて「お絵かきクリエイター」として活動中。大好きなお絵描きを通じて、自分らしい働き方と表現の場を広げています。

◾️会社員×クリエイターとしての挑戦

Q:海月さんの事業について教えてください。

私は「お絵描きクリエイター」として、“お絵描き”を活かした紹介ムービーを制作し、集客やブランディングのお手伝いをしています。

お絵描きムービーでは、ただ商品の魅力を伝えるだけでなく、その方の人生や想いに光を当て、「どんな思いでその商品が生まれたのか」「どんな気持ちで扱っているのか」を、言葉だけでなくホワイトボードの動画で丁寧に表現しています。

こうした映像を通して、お客様は商品の背景やストーリーに触れることができ、より深い共感や安心感を持って手に取っていただけるようになります。

先輩クリエイターの事例では、集客ツールとしてはもちろん、「人生ムービー」として記念に残したり、企業の社内研修に活用されたりと、お絵描きムービーの用途は広がりを見せています。

大切なのは、その方が大切にしている想いや信念を、ひとつの作品としてカタチにし、必要とする人の心に届けること。そのお手伝いができることに、私は大きなやりがいと喜びを感じながら、日々活動しています。

Q:独立・起業を考えはじめたのは、どのようなきっかけからでしょうか?

私は幼い頃から漫画が大好きで、物語の中に入り込むような気持ちで夢中でページをめくっていました。じつは、漫画家になりたいと思っていた時期もあったほど。ノートの余白を見つけては、つい何かを描かずにはいられない—そんな子ども時代を過ごしました。

その“描きたい”という気持ちは大人になってからも変わらずあって、いつか絵を描く仕事で独立し、自分の世界を表現できるようになったら素敵だなと、ずっと思っていました。 それほど、お絵描きは私にとって身近で、心から楽しめることだったんです。

客室乗務員になってからは、イラストや手描きポップなどを趣味として楽しんではいたものの、仕事として深く関わることはありませんでした。それでも、心のどこかに「お絵描きで仕事ができたらな」という漠然とした夢があったのですが、当時の私は仕事や子育てに追われ、自分の好きなことに本気で向き合う時間なんてありませんでした。

そんな中、1年前に転職した会社は副業に対してとても寛容で、自分の可能性に挑戦できる環境が整っていたんです。 仕事のスケジュールを自分で選べるし、お休みも自由に調整できる。

デスクワークなので体力的にも無理がないし、職場も自宅から近い。 まさに、起業するのにピッタリな条件がそろったんです。

その時の私は、ちょうど50歳を過ぎて“定年”という言葉が現実味を帯びてきた頃で、この先歳を重ねても「自分らしく働ける何かを持っていなければ」という不安が芽生え始めていました。

それならば、と思い切って個人事業主として活動を始める決意をしました。

◾️副業から始める、私らしい起業のかたち

Q:起業に不安はありましたか?

個人事業主としての開業届を出したものの、やはり「自分の好きなこと、絵を描くことで食べていけるのだろうか」という不安が大きかったです。

ですが、会社員としての本業を続けながら「副業として起業する」という選択をしたからこそ、どこか安心して挑戦することができました。

子どもがいる身としては、安定した収入を確保しながら自分の「好き」を形にしていくことが大前提。本業での収入があるからこそ、起業という思いきったチャレンジもできるんですよね。

今は会社員とお絵描きクリエイターを兼業していますが、将来的には会社員として携わっているお仕事をアルバイトに切り替えて、少しずつお絵描きの仕事の比重を増やしたいと思っています。

これは、定年後の働き方を見据えた私なりのキャリア設計でもあり、ゆくゆくは「お絵かき一本」で活動するのを目標にしています。

Q:起業するという決断に対して、周囲の反応はいかがでしたか?

本当にありがたいことに、思い切った起業という決断を周囲の皆さんが心から応援してくださって、あたたかい言葉にとても勇気づけられました。

起業にあたって、これまで人に話すことのなかった自分の人生のストーリーをお絵描きムービーという形で表現してSNSに投稿したのですが、想像以上に多くの方から反響があり、たくさんの応援コメントをいただいたんです。

自分のことを正直に表現するのはとても勇気が必要で、私にとって大きな挑戦でもありましたが、皆さんのあたたかな反応が本当に心の支えになりました。

Q:これまで表に出さなかった内面を出そうとマインドを切り替えたのはなぜですか?

それは「これまでの自分を変えたい」「今度こそ本気で挑戦したい」という強い思いがあったからです。

過去に挫折を経験したことも、もちろんあります。

ですが「やっぱり私には無理だった」と思うのではなく、挑戦を諦めてしまった過去の自分と決別する意味でも、“ありのままの自分”を出すことで、もう一度自分自身と向き合ってみようと決めたんです。

自分のストーリーや想いを胸に秘めたままだと、どこか自分のことも信じきれない気がして…。

だからこそ、覚悟を決めて起業を宣言することで「やるしかない」と自分を追い込む環境を、あえて作ったんです。

この覚悟がちゃんと私の背中を押してくれたおかげで、自分らしく働くための第一歩を踏み出せたと思っています。

起業の準備をしよう

自分のビジネスを始めたいと考える人は少なくありません。けれども、どれだけ熱意があっても、土台となる知識や準備が不足していると、せっかくの挑戦が思わぬ壁にぶつかってしまうことも。実際にどのような準備が必要なのでしょうか。

◾️起業に必要な”基礎”を学ぶことが大切

Q:独立・起業に向けて取り組んだことについて教えてください。

まずは、確定申告や税金の手続きなどの実務的な面をしっかりと把握し、個人事業主としての基礎をしっかり学ぶことから始めました。 今でも、本を読んで自分で勉強することもありますし、複雑な書類の作成や税務手続きに関しては、個人事業主の起業を支援してくれる創業支援団体のサポートを受けました。

◾️スキル向上のために

Q:独立・起業の準備として「やってよかったこと」はありますか?

起業の基礎を自身で勉強した上で、絵のスキルを磨きながら仕事に繋げるために「クリエイターズ・アカデミー」という団体に所属しています。

このアカデミーは「絵を描いて、それを仕事にする」ということを企業理念に掲げていて、絵を描くことを仕事にするのは難しいといわれる世の中を変えたい、という想いから生まれた場所なんです。

そのため、イラストやデザイン、動画制作などのクリエイティブなスキルを活かして活動したい方に向けたサポートが充実しています。

また、絵を描くスキルを伸ばすだけでなく、ビジネスやマーケティングの知識を学べる環境が整っていて、クライアントからの仕事を請け負えるようになるまでしっかりとサポートしてもらうこともできます。

このアカデミーで出会うことができたおかげで、ビジネスを学びつつ、ストーリー展開の作り方やライティング、動画編集のスキルを身に付けて、絵の世界で自分の可能性を広げていく道を見出すことができました。

クリエイターズ・アカデミー

Q:ご自身の可能性を広げるために取り組まれていることはありますか?

クリエイターズアカデミーで毎朝開講されているお絵かき教室に参加するなど、絵を描くということを日課にしてます。作品に深みを持たせるためには、日々の積み重ねが大切だと思っています。

また、クリエイターズアカデミーで定期的に開催されるコンペにも積極的に参加しています。与えられたテーマに挑戦することで、自分に常に新たな課題を与えているんです。

目の前のチャンスや課題に真摯に向き合い、常に全力で取り組むこと。それが、私の創作活動の原動力でもあり、自分自身の可能性を広げてくれるような気がします。

それから、過去に自分が描いた絵や、幼い頃から大好きだった漫画家さんの作品、そして先輩クリエイターの方々が手がけたムービーや作品に触れて、自分の世界観や表現の幅を広げることを心がけています。

Q:海月さんにとって「お絵かき」とは何ですか?

「お絵かき」は、私自身の人生を楽しく彩るための手段のひとつです。 好きだからこそ、仕事として楽しく続けていきたいという思いがありますし、これからの自分の人生を豊かに過ごすために欠かせない存在です。

念願かなって大好きなお絵描きを自分の仕事にすることができたわけですが、プライベートでも、誰かのために、また自分のために絵を描くひとときは、何にも代えがたい大切な時間です。

友人の誕生日にイラストを描いて贈ったり、お気に入りの絵を自宅に飾ったり…。お絵描きを通じて心のこもった時間を楽しんでいます。

いずれは、絵を描くことそのものが自分の仕事の中心となり、誰かの心にそっと寄り添えるような作品を届けるというのが私の最終的な目標です。

今はその夢を胸に抱きながら、趣味としての絵も大切にしつつ、絵を仕事として収入につなげていくための仕組みを、自分なりに少しずつ模索しています。

50代からの起業、“好き”が導く働き方を考えてみませんか

海月さんのように、自分の「好き」や「得意」にもう一度向き合い、一歩を踏み出すことで、人生はまた新たな輝きを放ちはじめます。

誰かの心に届く絵を描きながら、自分自身の未来も描いていくという海月さんの生き方には、これからの時代を自分らしく生きるためのヒントが詰まっているのではないでしょうか。 どんなに小さなスタートでも、動き出せば、確実にあなた自身の未来を動かす力になります。

起業しようとする時に、まずは副業として小さく始めてみるのは、挑戦する自分を支えながらやがて大きな一歩へとつなげるための選択肢のひとつです。

大切なのは「やってみたい」という気持ちを信じて行動を起こすこと。その行動こそが、あなたらしい働き方や生き方につながる、かけがえのないスタートになるはずです。