【起業事例】 60歳を機に講師、ファッションコンサルタントとして活躍。時間を調整しながら自由な働き方が手に入る。

インタビュー

60代から講師、ファッションコンサルタントとして起業した正宗幸子さん。地元岡山で資格を取得しダブルワークを経て活躍に至りました。

正宗 幸子 プロフィール
1956年生まれ。1977年京都女子短期大学部被服科卒業。1980年 大阪モード学園卒業。同年、カイタックグループへ入社し、チーフデザイナー、MDとしてブランドプロデュースや新規部門立ち上げなどを担当。2000年に専門学校岡山ビジネスカレッジに移籍し、2コースの新設に携わり、講師陣とともにファッション業界に就職したい学生をサポート。また、岡山のファッション業界との産学協業を実現。2017年4月「with FASHION co.」を設立。

一貫してアパレル業界に従事。地元岡山でファッションのプロとして活動

起業するまでの活動と最近の活動について教えてください。

私は子どもの頃からファッションに興味を持っていて、高校卒業後は短大の被服科に進学しました。短大で学んだことでますます向学心が高まり、さらにファッション・デザインの専門学校に通いました。

専門学校を出た後は岡山市内のアパレル企業に入社して、ブランドプロデュースや新規部門の立ち上げなどを経験しました。「ゼロからの企画提案」を得意とし、自社商品ブランドのほか、スーパーや小売店の独自ブランド、通販の企画も手掛けました。

2000年に専門学校へ移籍してからは、ファッション系コースの新設に携わり授業を担当。ファッション業界を目指す学生をサポートするなど、人材育成に力を注いできました。また、岡山のファッション業界との産学協業も実現しました。

起業後の近年は公務員のほか金融系、美容系企業などで、カラーの活用や着こなしを含めたファッション講座を開講しています。また、アパレルメーカーで商品企画やブランド開発などを担当してきた経験を生かし、新商品の開発やマーケティング、社員育成などのコンサルティングも手掛けています。

また、カルチャーセンターでも教室を持っていて、ファッションコーディネートの講座を開いたり、ファッション関連の資格を取得したい人のために検定対策講座も開催しています

変わったところでは、地域の婚活サポーターも務めていて、第一印象をよく見せるための服装や身だしなみのアドバイスなどを行い、見た目やファッションの面から結婚したい人たちを支援しています。

あるテレビがきっかけで知識や経験を基にした起業を決心

起業を意識したのはいつ頃ですか?

起業を決意したのは、60歳になった頃です。それまでも「これからどのように仕事をしていこうか」と思案することはありましたが、起業することまでは思いが及びませんでした。当時、専門学校で非常勤講師をしていたので、その仕事を続けていくことも視野に入れていました。

そんなある日、テレビを見ていたら、公務員の男性が保育園の先生に転身した様子が放送されていて目がくぎ付けになりました。60代になってから、まったく異業種にチャレンジしているその人の姿に感銘を受け、それまで考えてもいなかった「起業」を思い立ちました。これまでの人生では組織の一員として仕事に励んできたけれど、「自分一人になっても、誰かの役に立てるのだろうか」「今まで仕事で培ってきた知識や経験は、これからの世の中に通じるのだろうか」ということを確かめたくなりました。

保育士になった男性のように、まったく違う分野に挑戦するのとは違うかもしれませんが、「自分もゼロから始めてみたい!」という気持ちがわいてきました。起業については誰にも相談しなかったのですが、もともと企画をゼロから考えることが好きで、そんな仕事を20年くらい続けてきましたから、次の20年は「ものづくりの実績と、学校での経験をベースに仕事をしよう」と決心しました

事業の方向性を決めてファッション関連の資格を取得

起業すると決めてから、実践したことは何ですか?

まずは、私のことをまったく知らない人にも安心して仕事を任せていただけるように、「ファッションのプロ」であることが一目でわかるよう、プロフィールを充実させようと思いました。そのためファッション関連の資格をいくつか取得して、名刺やホームページに記載しました。ちなみにこのとき勉強した内容は、現在講座で教える際に非常に役立っているので、その意味でも資格を取ってよかったと思います。

事務所は自宅ですし、私の仕事内容は「話すこと」「伝えること」が中心ですから、開業資金はそんなに必要ありませんでした。一番お金がかかったのは、パソコンを用意する、ホームページを作成するなどネット関係の費用です。社名には、私の仕事を明確に表す「ファッション」というキーワードを入れたかったので、真ん中に据えて「with FASHION co.」としました。「FASHION」の前に「with」を入れたのは、ファッションに関連したことを、いろいろ展開していきたいという、欲張りな気持ちからです(笑)。

今はネットで調べれば、ファッションのトレンドはすぐにわかります。しかし、昨今はトレンドを追うだけでなく、その人の個性や生き方を反映したファッションも大切にされる時代になったと感じます。自分に似合うファッションを細かいところまで教えてくれる専門家は、今後ますます必要になってくるだろうと考え、そこを開業の柱としました。時代の流れを読みながら、デザイナーだった前歴と、専門学校でコースを立ち上げ授業を行っていた経験をつなげ事業内容を組み立てました。

起業当初はダブルワーク、2年目から事業に専念

起業してから1年、どのような仕事をしてきましたか?

1年目は、もう走りっぱなし! 起業当初は専門学校の講師の仕事もしていたのでダブルワーク状態だったうえに、思っていた以上に仕事をいただいてとても忙しかったです。前職のアパレル会社のほか、専門学校で学生の就職をサポートしていたご縁で、企業の人事担当者からも仕事の依頼がありました。

いざ起業して驚いたのは、若くして起業した人がたくさんいることでした。 自分の若い頃は、起業なんて考えたこともなかったので、「そんな生き方もあるのか」と私の目には新鮮に映ります。それぞれ年齢も経歴も違いますが、一人の起業家としては上も下もありません。みんな横並びで同士のような感覚があるので、刺激も受けています

私自身は、起業して2年目を迎え専門学校の講師を辞めました。今の事業に専念して、仕事の精度を上げていきたいと思っています。企業では、新人向け、営業向けの研修などを行い「外見力」の大切さ、第一印象の大切さについて知識が深まるよう、ワークも交えながらお話ししています。

アパレル会社では、店舗スタッフに素材やカラーの専門知識を教えたり、仕事内容のチェックや監修をしたりコンサルティングを行っています。季節を意識したディスプレーやイベントをサポートしたり、ダイレクトメールの内容を提案したり。商品企画やブランド開発など、これまで仕事で培った経験を生かせているのでやりがいがあります。一つ一つ積み重ね、起業家としての実績につなげていきたいと思います。

「いつまでも元気で若々しく」を実現するためには身なりに気を配ることが大事

同世代に向けて何かメッセージはありますか?

50代、60代にも、ファッションの重要性を伝えていきたいと思います。いつまでも元気でいるために、おしゃれを楽しむことは大切です。ファッションに興味を持つと、他の人の装いにも目が行くので、街を歩いていても「あの人、すてきだな」といろんな発見があり、興味の幅が広がります。また、心身が疲れてくると身なりを構わなくなることがあるので、健康のバロメーターにもなります。

いくつになっても、きれいでかっこいい服装をしてほしいですし、その人の思いや個性が生きる服を着こなしてほしい。洋服だけではなく、立ち居振る舞いや声のトーン、表情や姿勢にも気を配ると若々しい印象になるので、そういった発信もしていきたいですね。

やりたいことがあれば何歳からでもチャレンジできる

これからやりたいこと、広げていきたい活動はありますか?

岡山では「パラコレ」といって、障がい者とその家族などを支援する活動があり、障がい者のためのファッションショーを開催しています。私はボランティアで参加していて、ショーのアドバイザーをしています。

また、岡山県織物染色工業協同組合と一緒に環境に配慮した「倉敷染」の普及にも取り組んでいます。倉敷染は、世界の厳しい薬剤規制基準に準じた薬品や染料を使って染めた織物のことです。

こういった活動も、会社勤めではなかなか難しいかもしれません。ある程度自分の時間を調整できるのも起業のメリットといえるでしょう

これからも私の強みであるファッションを通じて、人・地域、ひいては環境を大切にする活動を続けていきたいですね。

身近なところでは、パソコンをもっと勉強してグラフィック用のソフトも使いこなせるようになりたい。写真撮影や加工が上手にできるようになれば、セミナーや講座でも、質の高い資料を見ていただくことができます。こんな風にやりたいことはたくさんあるのですが、65歳になったらいったん仕事を見直して、整理したうえで次のステップに進みたいと考えています。

私は同年代がチャレンジする姿に感銘を受けて起業しました。そのため、やりたいことがあるなら、何歳からでもできると信じています。起業したい気持ちがあるなら、時代が求めていることをキャッチして、一歩前に踏み出してください。

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