起業するなら創業支援施設に相談しよう【市勢善浩さんインタビュー②】
インタビュー
起業には複雑な手続きや申請が必要となるため、疑問やお悩みに対して一部の公的機関では相談窓口を設けている場合があります。
また、ビジネスプランを練っていく際に必要な知識・考え方を学べるセミナーや、起業を目指す方々の交流の場、融資・助成に関する情報を提供するなど、起業を考え始めた方や創業して間もない方への創業支援が充実しています。
今回のコラムでは、フェイバニッツ合同会社代表の市勢善浩さんの体験談から、起業の強い味方となる創業支援の活用術を学びましょう。
駆け出し起業家を支える創業支援
Q:起業の準備として創業支援施設を利用されてみていかがでしたか?
創業支援施設では、起業に欠かせない事業計画を立てる上でのポイントを教えてもらったり、起業全般に関する相談に乗ってもらうことができます。
事業計画の改善策や今の自分に必要な取り組みが明確になるので、具体的な行動に移しやすくなったのが良かったです。また、セミナーなどを通して起業を目指す人同士での繋がりができたことで安心感がありましたし、共に試行錯誤できる仲間がいるというのはとても心強いことでした。
起業の準備として何をしたらいいか分からないという方は、まずは相談窓口で話を聞いてもらったり、起業を目指している方のお話を聞いてみるだけでも、今後に役立つと思います。
Q:創業支援施設はどのようにして見つけましたか?
起業に関する情報を集めなければとネット検索している中で見つけました。サラリーマン時代には縁のない世界でしたので、これまで関わることのなかった支援や施設の多さにとても驚いています。
最近は起業を後押ししてくれる行政サービスにもさまざまな種類があるので、まずはネットで調べてみて、お住まいの近くの施設に足を運んでみるといいのではないでしょうか。なんでも活用してみて、自分の起業に役立てるのがお得ですよ。
◾️起業してからずっと役立つ知識やノウハウが身に付く
Q:実際にどのような支援を活用されましたか?
私が利用した「TOKYO創業ステーション」には、起業に関する疑問や不安を気軽に相談できる「コンシェルジュ起業相談」があります。 起業経験のあるコンシェルジュに、アイデア発想から起業に際しての資金調達、マーケティング、販路開拓など、起業全般に関して相談できるというのが特長です。
起業を始めたばかりで分からないことが多くても、頼れる場所があるというのは大変心強いことでした。 ほかには、プランコンサルティング(事業計画書作成支援)も活用しました。
こちらは事業計画の作成から事業化までをサポートしてくれるサービスです。 また、経営のノウハウについて学ぶことのできるセミナーが開催されていたり、補助金や融資についての情報収集、起業を志すメンバー同士での交流ができる場もあったので大変役に立ちました。
「起業塾」というセミナーでは、講義だけでなくグループワークを通して起業の初期段階やビジネスプランを練っていく際に必要な知識や考え方を学びました。
業種も違うさまざまな方が集まるため、他の人の考え方に触れることで自分の構想を客観的に見つめ直すことができました。 ビジネスモデルをブラッシュアップすることもできるのでおすすめです。
起業に興味がある方から、具体的に起業の準備を進めたい方まで、起業を目指すみなさんを応援します。起業・創業に関する相談窓口やイベント・セミナーなど、数多くの支援メニューをご用意しています。
https://startup-station.jp/
◾️業種に特化した創業支援サービスを活用する方法も
創業支援施設には、多種多様な分野での起業を目指す方々が集まるため、自分のビジネスとは異なる分野の起業家と出会うことで新しい視点やアイデアを得られるという良さがあります。
一方で、同業者が集まる創業支援施設を活用するというのもメリットがあるようです。
Q:ファッション特化型の起業支援拠点を活用するという手もあるのですね
「イデタチ東京」は、東京都認定のインキュベーションオフィス(起業や創業をするために活動する入居者を支援する施設)です。 ここはファッションビジネスを目指す者同士での交流の場所を提供しているため、同じジャンルで起業を目指す方々との情報交換ができるのが特長です。
起業経験のあるプロからの実践的なアドバイスに支えられましたし、ものづくりの風土が根付くエリアを拠点としているこの地域との繋がりができたことも良かったです。
ファッション関連産業で起業したい方をサポートする起業支援拠点です。ファッションやその周辺産業で起業を目指す人や、会社をさらに成長させたい人に向けて、ビジネスのノウハウやマッチングの機会を提供し、日暮里から羽ばたく起業家や事業者を輩出しようという、ファッションビジネスに特化したモノづくり支援を行っています。
https://idetachi.com/
Q:ご自身のビジネスの強みは何ですか?
自分と同世代をターゲットにした商品を扱うので、顧客の立場になって考えながら経営戦略を立てることができます。 私は長年、婦人服のマーチャンダイジングに携わってきましたが、その当時はデータや人から聞いた話を頼りに顧客の気持ちを想像することしかできませんでした。
今は、顧客の悩みが自分の悩みとマッチするため、より一層お客さまの気持ちに寄り添うことができているのではないかなと思います。
◾️「起業塾」での繋がりに支えられて
Q:起業塾で得た人脈は今に活かされていますか?
起業塾で知り合った何人かとは今でも交流があり、フェイバニッツのホームページ制作をお願いしたり、SNSの相談に乗ってもらったりしている方もいます。
経費節約のために自分自身がモデルとなって商品の宣伝用の写真を撮るのですが、その撮影をお願いしているカメラマンも、起業塾で繋がった方です。
Q:ご自身がモデルとなることには、何か考えがあるのでしょうか?
自分自身がモデルになることでお客さんに親近感をもってもらいやすいのではないかと思っています。 著名なスタイリストやモデル、プロカメラマンを起用すればカッコイイ仕上がりにはなりますが、あまりカッコよすぎるとかえって敬遠されてしまいますよね。
どんな方が着用しても、うちのスーツは見栄えがしますよ、というのを自分の身で表現できればと思いながら撮影に挑んでいます。撮影コストの削減にもなるので一石二鳥ですね。
起業の不安は創業支援サービスで一挙解決
今回のコラムでは、創業支援サービスの活用方法やメリットについて、市勢 善浩さんの経験をもとにご紹介しました。
創業支援施設では、起業に対する不安ごとを相談するだけでなく、事業計画の作成の手助けや経営に必要なノウハウの習得、補助金や融資についての情報収集、起業を目指す人同士での繋がりをもつなどさまざまな活用方法があります。
迷ったらまずは創業支援を検索して、ご自身のビジネスや起業スタイルに合うものを見つけてみましょう。
起業したいと願うあなたを後押ししてくれる場所が見つかるはずです。
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