【起業事例】40代半ばにして全くの未経験からファイナンシャルプランナーの資格を取得。50代 で住宅資金の相談を専門にした独立系ファイナンシャルプランナーとして開業

インタビュー

さまざまな職業に就く中で、やっと出合ったファイナンシャルプランナーの仕事。資格取得から起業までの10年の道のりには、未経験者ならではの発想と戦略がありました。

鳥海淳(とりうみじゅん)プロフィール
専門学校卒業後、外資系のクレジット会社に就職。システム開発部に配属後、旅行部へ異動し、国内・海外旅行の手配や団体の海外視察研修旅行の企画などを行う。その後、飲食店勤務やタクシー運転手などを経験。2013年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。2022年に姫路市に「FP Wealth partner」を設立。

資格取得で異業種への転換。未経験者でも取り組みやすいファイナンシャルプランナーを選択

Q:ファイナンシャルプランナーになった年齢とその経緯について教えてください。

システム開発、国内外の旅行の手配や企画、飲食店勤務、タクシー運転手、派遣社員など、さまざまな職業に就く中、年齢を重ねると共に自分で何か事業を始められたら、という漠然とした思いを抱くようになりました。でも、なかなかピンとくる仕事に出合うことができませんでした。

ちょうどタクシーの運転手をしていた時、ファイナンシャルプランナーという仕事があることを知り、資格を取得しました。45歳になり、このまま運転手を続けていくことにリスクを感じていた時です。正直にいうと、特にお金に関心があったわけではありません。とはいえ、お金は生活に欠かせないものであり、自分の暮らしに身近であったことから、未経験でも取り組みやすいと思ったのがファイナンシャルプランナーを選んだ理由です。資格取得後は、資格を生かせるよう、転職活動をしたのですが、なかなか転職先が見つからず、他の仕事をしながらFPとして独立できる道を探っていました。

最初から完璧を求めていては、いつまでたっても起業できない。できることから始める

Q:起業に踏み切ったのはどのような経緯からですか?

54歳の時に起業しました。それまで、知識を完璧に備えていなければ、起業は無理だろうと思いこんでいたのです。屋号決めや事業内容の確定、事務所の選定、資金確保はもちちん、名刺の準備、ホームページやSNSのアカウント開設など、起業に必要な物を全てそろえてからでないと起業はできないと。しかし、それではいつまでたっても始められないんですよね。とりあえずできることから始めて、分からないことが出てくれば「その都度解決していけばいいんだ」と思えるようになって起業に踏み切ることができました。

経費を抑えるために事務所はバーチャルオフィスに。リスクを減らし、心の負担も減らす

Q:起業することに不安はなかったのですか?

商品販売のように、在庫を抱えるわけではないので、大きな不安はありませんでした。それに従業員を雇うわけでも、事務所を借りるわけでもないので、毎月、大きな支払いが発生するわけでもない。「失敗してもいいや」といった気持ちでした。私の場合、かかる経費といえば、レンタルオフィス代ぐらいです。それも、実際にスペースを借りるのではなく、郵便物の受け取りなどに使う住所を取得するバーチャルオフィスにしているので、月々の会費は必要とはいえ、実際に事務所を構える場合に比べれば微々たるもの。契約金や敷金、礼金なども必要なく、初期費用が抑えられます。物件探しに時間がかかることもなく、申し込んですぐに利用できるメリットもありました。

複数の分野を扱うより、一つの分野を極めた方が自分の強みになる

Q:事業内容を住宅資金の相談に特化したのはなぜですか?

未経験者の立場では、複数の分野を扱うよりも、一つに絞って知識や経験を積んでいくことの方が、その分野で突出していくことができると考えました。ちょうど起業する4年前に日本住宅ローンコンサルティング協会が主催するセミナーを受講していたので、このとき得た知識を生かそうと思ったのです。

ファイナンシャルプランナーが扱う分野に、ライフプランニング、保険、金融商品、税金、不動産、相続・事業承継の六つがあります。どの分野に進もうかと考えていた時に、住宅ローンセミナーの案内を見たんです。「金融知識がなくても大丈夫」のようなことが書かれていて、参加するに当たってのハードルが低かったことが、セミナー受講のきっかけになりました。長い人生、いつどんなことが起こるか分かりません。だから、「住宅ローンを組む際には、さまざまなリスクあることをあらかじめ考えておいた方がいいですよ」と多くの人に伝えたかったことも、住宅資金に特化した理由です。

住宅は、一度住んでしまうと資産価値が下がってしまい,すぐに売却できるとは限りません。無理のない返済計画を立てるべきなのに、物件を重視して返済を楽観的に考えてしまう人も多いんです。そのあたりのことをアドバイスできればと考えました。私自身、ある事情からマイカーを手放さざるを得ない状況になったことがあります。大切なものを失うショックを味わっていたから、住宅資金に特化していこうと思ったのかもしれません。

気負う必要はない。関心を持ったものに何でも挑戦する

Q:起業するに当たって、資格面で準備したことはありますか?

経営破綻した、あるいは業績が悪化して回復が見込めない中小企業に対して事業再生を行う「ターンアラウンドマネージャー」の資格を2年前に取りました。テレビで取り上げられているのを見て興味を持ち始めていた時に、たまたま養成講座を見つけて…。事業再生というと、何か特別なことをするようなイメージを持つかもしれません。しかし、考え方は至ってシンプルなんです。例えば、ある地方のスーパーマーケットが存続の危機にあったとします。立地や規模、営業時間、周辺に住んでいる人たちの特性など、それぞれに対してスーパーマーケットがどんな問題を抱えているのかを多角的に捉えて、弁護士や税理士、金融機関関係者と共に事業再生への道を探っていきます。その手法を知って安心したというか、そんなに構える必要もないことが分かり、受講してよかったと思います。今、中小企業の後継者不足が社会問題になっています。近いうちに事業承継についても学んで、ゆくゆくはこれらの資格を生かして、中小企業のコンサルティングも行っていきたいと考えています。

限られた経験知の中で顧客に還元できるようにコラムを小まめに配信

Q:起業前から、ホームページで小まめにコラムを更新されています。起業を意識されてのことですか?

未経験からのスタートなので、これぐらいしかできなかったのです(笑)。自分ができる範囲で進めていこうと決めて、起業する2年前から、コラムは小まめに発信するよう、心掛けてきました。家を建てる際にどのような手順を追っていけばいいのかが分かるよう、ライフプランの見直しから、資金計画、住宅ローンの選定、金融機関の審査を経て家が完成するまでを細かく区切って、住宅購入を考えている人たちに有益な情報などを盛り込んでいます。住宅メーカーや不動産業ではないので、住宅の構造や土地のことなどは分かりません。お金に関する部分で、いかにしてコラムの回数を増やすかを考えた時に、小出しにするのがベストだと思いました。同じテーマでも切り口が変われば、伝え方も変わるので、長期にわたってコラムを書き続けることも可能です。全ての人が最初のページから目を通すわけではないので、重複する内容があっても構わないと思います。

自分にミッションを与えてモチベーションの維持に努める

Q:コラムを発信し続けてきたことで、何か見えてきたものはありますか?

時間がなかったり、気分が乗らなかったりすると、更新が遅れることがあります。コラムを書く目的を明確にして、「週に1回は書く」など自分にミッションを与えてモチベーションを維持させる必要性は感じています。また、ホームページの場合、不特定多数の人が見ているわけですから、実績がなくても、コンスタントに発信する重要性も感じています。ホームページのアクセス解析をした時などに、そのことを強く実感しますね。

質問したり相談したりできる相手がいると心も楽になる

Q:一人で起業すると、何でも一人でこなしていかなくてはなりません。何かあった時に相談できる人はいますか?

起業したばかりで、幸いまだそうしたケースにぶち当たっていません。今は分からないことが出てくるたびに、住宅ローンセミナーでお世話になった講師にメールで質問しています。元銀行員で、住宅ローンについて熟知していて、いつもざっくばらんに返信してもらえるので、私も気兼ねなく質問できます。そういった人が1人いるだけでも心強いですね。

走りながら考えればいい。始めれば何かが動きだす

Q:最後にこれから起業を目指す人にメッセージをお願いします。

最初から完璧を目指すのではなく、「起業しよう」と思ったら、走りだすことも重要だと思います。足りない知識があれば、走りながら補っていけばいいですし、壁にぶち当たっても、周囲の人からアドバイスをもらえば、なんとか乗り越えていけるでしょう。間違った方向に進みそうになったら、その都度修正すればいい。ただし、事業に失敗した時のことも考えてリスクは少なくするのがいいでしょう。特に私のように未経験の場合はね。私は、経費を最小限にするために事務所を持たずに始めました。気持ちでは「顧客のために」と思っていても、経費が多いと経費を捻出することに意識が向いて、自分の利益を優先してしまうかも、と思ったのです。そうならないためにも、余分な経費は減らして、ある程度の収益があればいいと考えました。起業は人生の大きな転換点ではありますが、気負うことなく走り続ければ、何かが動き始めると思いますよ。

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