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57歳でプロデュース業を中心として起業。起業相談、人材教育など多様な経験が活きる

インタビュー

人材育成に携わり、心理学や脳科学などを組み合わせた独自のノウハウで57歳で総合ソリューションプロデュースサービスに特化した「合同会社ヘルシーブレイン」を設立した柴原健次さんに起業準備や経緯についてお聞きしました。

柴原 健次 プロフィール

1962年 大阪市生まれ
1985年 神戸大学工学部 電気工学科 電子演算工学研究室卒業
1987年 神戸大学大学院 工学研究科 電子工学専攻中退。同年、エンジニアとして社会人をスタート。

その後、人材育成の仕事に携わり30年。外資系スピリットを取り入れながら和のこころを大切に、心理学と脳科学、直感力と論理力を組み合わせた独自の「ヘルシーブレイン パッション プロデュース法」を確立。同プロデュース法をもとに、さまざまな総合ソリューションプロデュースサービスを提供。2019年 総合ソリューションプロデュースサービスに特化した「合同会社ヘルシーブレイン」を設立。課題解決の「目的」を明確にし、「シナリオ」を書いて「プロデュース」することにより、企業や個人へのサポートを実施。

自分ならではのキャリアを社会に還元する生き方を考え起業

Q:起業をしたのは何歳のときですか? 起業のきっかけもお聞かせください。

起業したのは57歳のときです。

それまで私は、上場企業やベンチャー企業、外資系企業や日本企業で、現場、管理職、事業責任者、取締役などさまざまな職務に就いてきました。携わった業務も、技術研究・開発に始まり、人材教育や営業企画、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたります。

それらの中には、会社設立に参画したり、個人事業主として仕事をした時期もありますが、「自分一人で会社を創る」という経験はありませんでした。

しかし、50代に入った頃から「仕事を通じて得た知識や技術を社会に還元していく」という生き方を意識していました。人生の新たなステージに進むにあたり、自分ならでは経験やキャリアを生かす方法は何かと考え、たどり着いたのが自分で起業です。

今や「人生100年時代」です。私自身もこのあと30年、40年を床に伏せることなく元気に生きたいと思っています。

そして、年金などを頼る生き方ではなく自分で自分らしい人生を生きていきたい。「働く」とは、「傍(はた)を楽(らく)にすること」と言われているように、自分が世の中に必要とされる生き方をしたい。そんな願いを持っています。

生涯現役のご時世ですから、「95歳まで働こう」をひとつのモットーとしています。95歳までは、まわりのみなさんに自分が培ってきたことを還元しながら、何かいい影響を与えていきたいと考えています。「世の中に受け入れてもられる働き方ができれば、生き方も変わってくるのではないか」といった気持ちもあり、起業を決めました。

一人一人の生き方をサポートするライフキャリアプロデュースを事業の柱に設定

Q:現在の事業内容をお聞かせください。

主な事業は「ライフキャリアプロデュース」で、自社がある東京だけでなく、日本全国の企業と個人の方に向けて、生涯にわたる働き方に関するサポートをしています。

「企業」であれば企業と個人の共栄をめざした事業や仕組みへの改善。「個人」であればキャリアや創業・起業支援などのライフキャリアコーチに携わっています。

昨今、働き方改革が推進され、「一人一人の働き方を見直しましょう」という動きが広がっています。企業ではテレワークを導入したり、従業員の副業・兼業を認めたり、個人のワークスタイルを尊重する取り組みが行われています。

世の中の価値観が多様化している中、企業はどういう環境を作っていくべきか。個人はどんな働き方を実現していけるのか。企業で働く人、個人で活動する人、それぞれの生涯にわたる生き方「ライフキャリア」について一緒に考え、サポートしていくことが私の仕事です。

企業の経営者も一人の人間ですから、自分のライフキャリアを考えることが大切です。そういった意味では、企業のサポートと個人のサポートの垣根はないかもしれません。

人生をかけてやるべきことを考えたとき「これしかない」と思ったことを事業内容に

Q:事業内容はどのように決めましたか?

もともとエンジニアでしたが、技術者の育成支援側に興味を持ったことから転職。その後は人材育成の分野に長く身を置き、新人教育や管理者教育などを担当してきました。

「企業が何のために人を育てるのか」ということで考えると、社員のキャリアアップももちろんですが、企業側もきちんと売り上げを立てて、利益を上げていくために行っています。

私は、教育研修を提供する会社にも、提案を受ける企業側にも所属していたことがあります。そして経営者と人事部門の経験もあるため、社員側にも組織側にも寄り添った視点で人材育成を捉えることもできます。両者のことをよく知っている、私ならではの強みを生かすためにも、人と企業の共栄を目指して力を尽くしていこうと決めました。

また、人を育てる仕事のほかにも、私はさまざまな業界、職種で実務を積んできました。企業人としてだけでなく個人としても働いた経験があるので、お伝えできることがたくさんあると思ったんです。

「今まで自分はいい経験をしたな」で終わるのではなくて、「多くのことを学ばせてもらったこれまでの環境に感謝し、どうやって世の中に恩送りしていくか」。
自分にとって「この先の人生をかけてやっていくことは何だろう」。

これらを考えた時「これしかない」と思ったことを事業の主軸にしました。

「やりたい」ではなく「何としてもやりたい」という強い意志を明確にすることが大切

Q:起業にあたり、どんな準備をされましたか?

起業をする前に、まず「自分のやりたいこと」を明確にしました。

キャリア形成においては「やりたいこと」「やるべきこと」「やれること」の3つが重なりあい、調和することが成功のカギと考えています。
これらを踏まえ、まず起業するには「やりたい」ではなく、「何としてもやりたい」という強い意志を持つことが大切だと考えたからです。

起業に向けた行動としては、あえて融資を受けたり、自分で登記の手続きをしたり、起業をするために必要なことを全て自分で一通りやってみました。

というのも、私自身が個人の起業・創業を支援していく立場なので、実際に自分で行い実体験を語る方が説得力が増すと思ったからです。

今はインターネットにさまざまな情報がありますが、自分でやってみないとわからないこともたくさんあります。起業の手続きも全て自分ですることによってアドバイスの幅が広がり、今の仕事にもつながっています。

起業時には世界観や志が同じ人の存在が心の支えに

Q:不安を感じことはありますか?

満を持しての起業だったので、大きな不安はありませんでした。

組織を離れてすぐに起業する場合には孤独を感じる人が多いようですが、私は会社員を辞めて、フリーランスとして活動していた時期があったので、その孤独感は知っていました。今回はまわりに同志がいるため、フリーのときとは心持ちが全く違います。

私の経験から、起業するときに世界観や志が同じ人が2~3人でもそばにいてくれたら、とても心強いと思います。

「自分の人生は自分でプロデュースする」という確固たる意志が重要

Q:事業を軌道に乗せるために大切なことは何ですか?

何もかも思うように、トントン拍子でうまくいくことは「まずありえない」という気持ちで臨む方がいいでしょう。

壁にぶつかったとしても、それは知識不足や準備不足など「自分に足りない部分があるよ」というお知らせとお試しです。自分にとって解決すべき課題として受け止めることで、現れた障壁にどう向き合うべきかが見えてくるので、前向きに捉えきちんと取り組んでいきましょう。

また起業をするときは、人任せではなく「何事も自分で決める」という勇気と覚悟も必要だと思います。

迷ったり悩んだりしたとき、人に意見を求めるのも一つの方法ですが、例えば転職専門のアドバイザーに相談すると「起業よりも転職がいい」といわれることが多いように、相談する相手によって答えが決まってしまうことがあります。

大切なのは「自分の人生は自分でプロデュースする」という気概です。確固たる意志をもって、起業してほしいと思います。

利他の精神で生涯を豊かに過ごせる働き方を目指す

Q:これから起業する人にメッセージをお願いします。

「起業は簡単、でも事業成功はそう簡単ではない」ということでしょうか。

会社自体は資本金1円からでも創ることができます。ただ、事業を成功させることはそれほど簡単なことではありませんので、起業をする前に「何のための事業か」「事業の軸は何か」といったことを確立し、志をもとにした事業計画をきちんと立てておきましょう。

50代、60代のみなさんは、重ねてきた年の分だけ若者よりも多くのことを経験し、学びを得ています。最初はぼんやりとしていても、やがて輪郭がはっきりしてきます。

必ずヒントが見つかりますので、「自分しかやっていないこと」「自分だからできること」など、「自分自身を生かせるのは何なのか」ということに、ぜひ向き合ってみてください。そしてときには、人に頼ることも大事です。

これからの人生の設計図を描くにあたって、自分の生活も大事ですが、「私心を忘れて他を利する」という気持ちも重要です。

自分の利益ではなく、他の誰かのために仕事をするという利他の精神で物事を考え、その上で「○○なら、ほかの人には絶対に負けない」という自分の強みをリンクさせて事業を組み立てていけば「生涯にわたり生き生きと働き続けることができる」、私はそう信じています。

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